公開日:2017年9月13日

次の英文を見てみましょう。

I will look at the very beautiful flower.

(私はその非常に美しい花を見るよ)

この文は、1文としては安定している英語の典型的文と言えます。この典型的文には、1文を構成するのに、重要な品詞が詰まっています。1語ずつ、全てが異なる品詞です。品詞名のみを順に並べると・・・。

代名詞+助動詞+動詞+前置詞+冠詞+副詞+形容詞+名詞

これは、英文における基本8品詞と言ってよいでしょう。その性質や特徴から、品詞を更にまとめてみると、名詞と代名詞は1つのグループ、動詞と助動詞は1つのグループに属すると考えてよいでしょう。冠詞と形容詞をまとめて1つの形容詞と考える方法もありますが、冠詞は、それだけで十分な存在意義がありますので、これはこれで独立させておきたいと思います。

すると、8品詞は、6グループに分かれることになります。これを私は、言語の世界における六元素(「六言素」とジョーク的に言うことが可能です)と呼んでいます。この六元素が、弘法大師空海の「六大」(宇宙を構成する六元素)と似ていると思います。

今日は、「私による言語の六元素と空海による宇宙の六大の類似性」の第1話として、概略のお話を挙げます。それと同時に、何故、名詞・代名詞が「地」に相当するのかも、論じておきましょう。三修社から出した『英語の品格』を一部抜粋、加筆修正して、このことを主張します。

■言語の六元素は密教的?

日本に本格的な密教をもたらした空海は、この宇宙は、6つの元素から成り立っていると考えました。これを六大(=宇宙の6つの要素)といいます。それは次のようなものです。

 

空海の六大

六大 英語 ひとこと
Mind 無形 精神界を満たしている元素
Void 宝珠形 何もない空間 エネルギー
Wind 半円形 動くもの   気体
Fire 三角形 熱いもの   化学反応
Water 円形 柔軟なもの  液体
Earth 四角形 硬いもの   固体

注:地水火風空の5つは物質界の元素

※仏教では「真空妙有」という発想があり、本物の空は、全くの空ではなくエネルギーの満ちた世界

私は、この6つの要素と、英語の基本六元素(名詞・代名詞、形容詞、副詞、冠詞、前置詞、動詞・助動詞)が似ていると考えています。六大と「言語の六元素」(=六言素)は次のように対応すると思われるのです。

    六大と六言素の対応

識 第1言素 動詞・助動詞

空 第2言素 前置詞

風 第3言素 冠詞

火 第4言素 副詞

水 第5言素 形容詞

地 第6言素 名詞・代名詞

※地水火風空のまとまり

は前置詞句に相当する。

 

■名詞・代名詞が何故「地」、形容詞が何故「水」なのか?

「地」とは、宇宙を構成する硬い元素です。これは現代風に言えば、固体ということになるでしょう。一方、「水」とは、流動的な元素ということになります。現代的には液体といえます。

「地」は、英語宇宙においては、名詞や代名詞に似ています。というのは、名詞は「ものにつけられた名前」で、流動的ではなく、しっかり定まったものだからです。また、代名詞は、その固まった名詞を代表するものだからです。なお、私やあなたといった人称代名詞も、きちんと実体のある存在ですね。だから、名詞や代名詞は、地に似ています。

「りんご」と読んでいたものが、ある日突然、「みかん」になることはありえません。それだけ、名詞というのは確固たるものでなければなりません。それを指し示す代名詞(itやthey)も当然、確固たるものです。

一方、形容詞はどうでしょうか。「美しい」という形容詞は、抽象的概念です。「美しい」という言葉が指し示すのが、人により異なる可能性があります。

平安時代には、下膨れの人が「美しい」女性とされていたようで、現代の美人とは異なります。現代でも、国により、太った女性が「美しい」人という国もありますね。

つまり、形容詞は流動的で、「水」に相当するわけです。

また、形容詞は、どんな名詞にも、等しく係っていくことができますが、これがまた、水の特性と似ています。水は、どんな地にもなじんでいきます。この点からも、形容詞の特性が、水に似ています。

 

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