公開日:2017年9月14日

私は、以前、「副飾研究家」というタイトルを名刺に書いたことがあります。あるとき、「副飾」というのは、「服飾」の間違いですね、と言われたことがありましたが、「いえ、正しいです。『副詞の修飾』を研究しており、縮めて『副飾』と言っているのです。」と説明せざるを得なかったことを思い出します。

そういえば、ある学際的な学会で、専攻を聞かれたとき、「フクシのシュウショクに関する研究です」と答えたら、「福祉の就職」のように捉えられ、途中まで会話が不思議にかみ合ったことがありました。

ある冠詞を専門としておられる先生が、ある学会で「カンシが専門です」と言ったら「漢詩ですか」と勘違いされたけれど、こちらも、途中まで話がかみ合ったということをおっしゃっていました。

さて、今日は、そんな副詞は「火」に似ているのかということについて、お話します。そして、冠詞が「風」に似ているのかということについてもお話しましょう。

■何故副詞が「火」なのか?

副詞は、正確には、名詞以外の品詞を修飾します。典型的には形容詞や動詞を修飾しますが、副詞が副詞を修飾する場合もあるのです。

1.A newt is totally different from a gecko.

(井守[イモリ]は守宮[ヤモリ]とは全く異なる)

2.A whitebait entirely differs from a white goby.

(白魚[シラウオ]は素魚[シロウオ]とは全く異なる)

3.Extraordinarily interestingly, this is true.

(異常なほど面白いことに、このことは当たっている)

下線を施した部分は副詞ですが、1においては形容詞differentを、2においては動詞differを、3においては副詞interestinglyを、それぞれ修飾しています。

これらの文を見ていると、副詞は、形容詞や動詞、さらには、副詞をも強調しているのが分かりますね。

その強調するという特性は、「火」の力強さに共通するものがあります。だから、副詞は火に似ていると、私は思っています。

 

■冠詞が「風」である理由

冠詞を「冠」の「詞」(=言葉)という理由は、名詞(1つ)や名詞句(=形容詞+名詞の塊)の頭につけるものだからです。

勿論、aやanは可算名詞でないと、また、可算名詞でも単数でないとつきませんが、theはどの名詞(句)にもつきます。

○a book  ○an apple   ×a books    ×a water

○the book  ○the apple  ○the books  ○the water

冠詞は、その名詞(句)が、初めて相手に知らせるものなのか(→その場合a(n)をつける)、既に話題になっているものなのか(→その場合theをつける)を明確にする役割を担っています。

また、1つのものと言えるものなのか(→その場合はa(n)をつける)、あるいは1つということが言えないものなのか(→その場合はa(n)をつけない)をはっきりさせることもできます。

不定(=相手が知らない、または、はっきり決まったものを指していない)のものであれば、単数の場合、可算名詞ならa(n)がつき、不可算名詞なら何もつきません。複数の場合、可算名詞なら名詞の後ろにsをつけます。不可算名詞で複数はありえません。

 

不定のもの 可算名詞  単数 a book, an apple …

複数  books, apples …

不可算名詞 単数 water, coffee …

複数 この形はなし

 

言語学的には、冠詞がついていない状態でも、見えない冠詞がついていると考えます。それは「ゼロ冠詞」と呼ばれます。そして、冠詞は名詞(句)を、まさに監視し、名詞(句)をより明確にし、ある種の風格を与えています。どんな名詞(句)、つまりどんな風な名詞(句)のかを明確にするので、冠詞は「風」なのです!

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englight
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