公開日:2017年9月20日

以前のブログで、言葉は「複雑性を嫌う」という経済性という原理があるという話をしました。今回は、それをもう一歩進めましょう。

更に以前に「言語は数学に似ているのに、その反例として<視点>という概念が存在している」(3つ前のブログを参照)、また、「言語は化学に似ているのに、その反例として<メタ言語>の存在がある」(2つ前のブログを参照)ということを述べました。

視点やメタ言語の存在自体は、言語全般における「文法の文法」、すなわち、<メタ文法>と言ってよい「経済性の原理」により保証されると考えられると、私は考えています。

John=Mary’s husbandで、Mary=John’s wifeなら、数学の世界では、(1a-e)のように、無限に代入できるのですが、言語の世界では、視点が壊れるので、代入不可能となります。これは、複雑さを嫌う「経済性」が力を発揮しているとしか言いようがありません。

(1) a. John loves Mary.

b. Mary’s husband loves John’s wife.

  1. John’s wife’s husband loves Mary’s husband’s wife.
  2. Mary’s husband’s wife’s husband loves John’s wife’s husband’s wife.
  3. John’s wife’s husband’s wife’s husband loves Mary’s husband’s wife’s husband’s wife.

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現実問題として、(1b)文は、第3者の視点を取り入れることにより、OKの文となりますが、これは(1a)文とは意味が異なってきます。同じ意味なら、やはり(1a)でよいのだから、複雑性を嫌う「経済性」の原理が生きているのが分かります。

また、2つ以上の視点が英文に現れないこと自体、経済性の原理が、言語の底流に流れていることを示しています。

更に、(2a)のようなメタ言語的表現を、(2b)文のような分析的表現(化学的表現)に置き換えることができますが、言語表現としては(2a)が好まれること自体、「経済性の原理」がここでも幅を利かしていることが分かります。

(2) a. “Teacher” means a person who gives lessons in something.

  1. The word made with the letters which are a T, an E, an A, a C, an H, an E and an R in this order means a person who gives lessons in something.

この記事の著者

englight
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