公開日:2018年5月20日

2月22日は「ニャンニャンニャン」の語呂合わせで「猫の日」です。
これは日本の猫の実行委員会が1987年に制定した記念日です。

ちなみに犬の日は11月1日で、やはり語呂合わせで「ワンワンワン」となります。
(1月11日や11月11日ではないのですね)。
これは社団法人ペットフード協会が同じ1987年に制定した日本の記念日です。

ついでながら、暦の「戌(いぬ)の日」のほうは、12日ごとに回ってきますが、
年によって異なります。
2018年は11月2日が「戌の日」に当たるので、11月1日が「犬の日」で,
次の日が「戌の日」という不思議な偶然が起こります!

犬の日を制定したペットフード協会が2017年12月22日に発表した情報によると、
2017年に初めて、猫の飼育数が犬を上回ったとのことです。猫が953万匹で、前年比2.3%増、
犬が892万匹で前年灯4.7%減。20歳~79歳の5万人にネット上でアンケートを採り,
統計処理を施して信頼できる推計値を出したみたいです。

90年代後半以降の小型犬ブーム時に生まれた犬が寿命を迎える中で、飼い主も高齢化し、
新たな犬の買い控えが起こったものと考えられていますが、猫はしつけや散歩が不要という
猫独自の要因も大きいでしょう。

それでも、飼い主の数は,犬のほうがずっと多いのです。推計値は、猫が546万世帯に対し、
犬が722万世帯とのこと。これは、犬は1匹のみ、猫は複数匹を買うケースが多いからです。

さて、第66代一条天皇(10世紀末~11世紀初め)は大の猫好きで、
そのことは清少納言の枕草子に書かれています。
「おとど」という猫の名前で、あまりに猫愛が強いので、
貴族に与える「五位」という称号を与えてしまいました。
猫の名前が歴史書に最初に現れるのが枕草子です。

しかし、猫の飼育記録が最初に現れるのは、それよりも前、
「宇多天皇御記(うだてんのうぎょき)」(=第59代宇多天皇の日記)で、
宇多天皇(9世紀後半)も大の猫好きでした。
名前こそ出てきませんが、自分の飼っている黒猫は最高だと自分の日記に書いています。
この当時の日記は他人に読まれることを前提として書いていますので、
宇多天皇は日本史上発の猫ブロガーということになりますね。

ところで、一条天皇は、数え年7歳で即位します。
そして、藤原道長の父である兼家(かねいえ、道長は五男)が摂政となっていますが、
これが兼家の策略によるものと考えられています。
・・・一条天皇の前は第65代花山(かざん)天皇。
花山天皇が譲位しない限り、一条天皇が即位できない。
一条天皇が即位しないと、兼家は摂政ができない。
だから、兼家は息子の道兼(みちかね、三男)と組んで、
花山天皇を譲位に追い込む作戦を考えます。

愛する妃を失って絶望している花山天皇に対し、道兼は花山天皇に出家を持ちかけます。
自分も出家するので、一緒に出家しようと言ったこともあり、花山天皇は出家を決意します。
その後、道兼は用事を思い出したと言って帰ってしまいます。こんな単純な策略だったのです。

花山天皇が出家したので、法皇となり、新たな天皇として即位したのが愛猫家の一条天皇です。

そんな一条天皇は、立派に、しかもイケメンに成長しました。
実は、短命でした(980年7月15日生―1011年7月25日没)が、素晴らしい政治を展開したようです。
同時に、文学にも理解がありました。
一条天皇の皇后となった藤原定子(ていし)の女房
(基本的には家庭教師役で、現在の意味とは異なる)
として仕えた女流作家が清少納言です。

藤原定子は兼家の長男の道隆(みちたか)の娘ですが、道隆の兄弟で兼家の五男に当たる
道長の娘である彰子(しょうし)も一条天皇の中宮となっています。
その彰子の女房には、かの有名な紫式部や和泉式部がいます。
同じ天皇の異なる配偶者に対して仕える作家として、
清少納言と紫式部はライバル関係となっています。

一条天皇が文学に理解があるからこそ、清少納言が一条天皇のことを自らの作品に描けたのです。
一条天皇が、自分のことを清少納言が書くのを許さなかったら、この天皇の猫好きも,
現代人が知ることはなかったでしょう。

猫は自由奔放の生き方をするので、思い通りにならないですが、そこには無償の愛という
前提が必要です。
猫好きの日本人が多いのは、日本人の精神性の中に、
無償の愛への指向性があるからだと考えてもよいでしょう。
その無償性は「猫かわいがり」という言葉があることで証明されているような気がします。

だからこそ、災害時にお互いに無償の愛で助け合うことができるのです。
日本に入ってくる外国人に対するホスピタリティも,
この指向性で説明できるのではないかと,私は考えています。
日本人の猫好きと外国人に対するホスピタリティが関連していると言えるのです。

この記事の著者

通訳ガイド研究会
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