公開日:2018年8月29日

 

Lが入っている短い単語とRが入っている短い単語には、次のようなイメージの差があります。

  L=静、遅い、気楽、軽明るいイメージ 

  R=動、速い、大変、重暗いイメージ  

 

 具体例を挙げましょう。

  L=lake; cloud; slow; play; play; walk; light; slight; delight; flight

  R=river; rain; rapid; work; pray; run; dark; serious; suffer; fright

 

 英語における短い単語(つまりラテン系の言語から入ってきたのではなく、元来の英単語)については、Lが入っている単語とRが入っている単語が対比的であることが言えるのです。日本人にとっては、LとRの差を聞き分けることができないほどなの、重要な差を生み出しませんが、欧米人にとっては、重要な差を生み出すということが証明される感じがします。

 

  簡単に言えば、不思議なことに、Lが入った単語は「静的」で、Rが入った単語は「動的」なイメージのものが多いのです。

 

  例えば、lakeは穏やかな感じであるが、riverは水の流れがあるし、cloudはゆっくり動くが、rainは確かに動きが激しいイメージがあります。確かに、「遅い」はslowで、「速い」はrapidなので、LとRは対比的であるのが分かります。

 

  遅いのはゆっくりとしたイメージだから気楽さ・軽さを暗示し、一方、速いのは大変さ・重さを暗示します。例えば、playは遊びで軽く、workは仕事で真剣な感じです。playlrにすると、prayとなり重みが増します。workrlにすると、walkとなり気楽さが感じられます。walkはゆっくりのイメージに対し、runwalkよりも速いです。具体的な急ぎのイメージを持つ単語はhurryで、Rが倍になっています。

 

  気楽なのは楽しいことにつながり、喜びを暗示するので、明るさのイメージへと展開し、一方、大変なのは深刻さ・苦しみ、そして暗さへとつながります。例えば、lightdarkの対比があります。lightの前にsをつけたslightは大したことない状況を表すのに対し、seriousは重大な状況を表します。lie()はいい加減で、truthは深刻さを暗示しますね。この感じの差はfalserightの組合わせでも理解できます。

 

確かに、lightlrにしたrightは「権利」や「正しい」という意味を持つので、lightよりも深刻さが増します。rightとその反対のwrongはどちらも真理に関わっているということで、真剣さが関わっているため、Rを含んでいるのです、

 

さて、lightには「軽い」以外に軽さから暗示される「明るさ」の意味もあります。ちなみに、日本語では、「軽い」と「明るい」は同語源と考えられます。brilliantは「明るい」の意味で、Rが入っているもののLが2つで明るさが勝っていることになります。同じ「明るい」を表すbrightRが入っていて例外のように見えますが、「頭の回転が速い」の意味もあり、速さを暗示するのでRが入るのではないかと、マニアックな私は感じてしまいます。

 

喜びはlightが入った単語では、delightとなり、苦しみはsufferingです。喜びを表す名詞は他にpleasureがあり、leisureも楽しいですね。形容詞としては、gladがあり、やはりLが入ってきます。一方、苦しみを表す英語にはRが入る傾向があります。例えば、torture, torment, distressなど、またhurtharmなども間接的に苦しみを表せます。

 

苦しみは激しい感情を生み出します。「怒り」や「いらいらする」等の言葉はangerとかirritateとなり、Rを含んでいますね。激しい感情の中には驚きもあります。驚きはsurpriseとなり、Rが倍になっています。「恐怖」も激しい感情で、やはり、frightRが入ります。一方、flight飛行ということで、軽く・楽しいイメージに早変わりします。

 

このLとRのような音声の差が、それを含む単語の意味を左右するという側面は、日本文化の世界では、言霊と関係するのですが、英語の世界にはそのような発想はないので、偶然ということかもしれません。しかし、音自体が単語に対し、イメージを与える可能性がゼロとは言えないかもしれません。

 

上記の不思議な発見は、応用が利きます。例えば、LまたはRが入ったよく分からない英単語に遭遇したとき、イメージを類推できるのです。Lの場合で、具体例を挙げておきます。

 

例えば、limpは遅いイメージであると思うだけで、She limped on in the dark alone(暗い道を足を引きずって一人歩いていた)が大雑把であるけれど理解できそうです。

 

  次のニュアンスの違いは分かりますか?

   (a) She has class.

   (b) She has a class. 

 

(b)は「彼女には(勉強または教育のための)クラスがある」ということで、学生にも教員にも使える表現で、これは難しくないですね。ところが、(a)は意味が全く異なります。そんな場合、Lのイメージが役立ちます。「静」のイメージから穏やか・上品さを感じると正解となります。(a)の意味は「彼女は上品な人だ」ぐらいの意味です。 

 

  不思議なLとRの世界を少しのぞいてみました。 

この記事の著者

通訳ガイド研究会
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