公開日:2018年10月2日

dogという普通名詞は「数えられる」(=可算)、waterという物質名詞は「数えられない」(=不可算)とされています。

 

waterには形がないから、「形がないもの」を表す名詞は数えられないと考えることはできます。

 

ではwood(木材)は通常切り出されているので、「形がない」とは言えません。でも、数えられない名詞です。これはどう説明するのでしょうか。木製のものを作る材料なので、物質名詞だと無理に主張することができるかもしれません。自然に生えているtreeとの違いは歴然とているからです。

 

それでは、chalkはどうでしょうか。明らかに、これは形があります。3本並べると、three chalksと言ってもよさそうなものですが、文法的にはthree pieces of chalkと言います。

 

不可算名詞をすっきり説明する方法はないのでしょうか?-いいえ、あります。2つに分けてもまたは、形を変えても)、そのものであることに変わらないものは「数えられない」のです。

 

waterは2つに分けても、どちらもwaterですね。woodも同じです。1本のchalkを2つに分けると、その2つとも依然としてchalkです。そんな場合は、数えられない名詞ということになるのです。確かに、1本のchalkを折って、2本にすることができるのであれば、数えることに意味がありませんね。

 

一方、可算名詞のpencilやdeskなどは、折ったり、壊したりしたら、もはやpencilやdeskではなくなります。だから、数えることに意味があるのです。

 

それでは、furnitureが数えられないのは何故でしょうか。furniture(家具類)には色々なものを集めた集合名詞です。ある人は「机や椅子」を意識し、ある人は「箪笥や食器棚」を意識するかもしれません。理論的に色々な集合が考えられるものを数える意味はありません。同じ種類のものであれば、「いくつあるか」ということに意味があることから、このことは理解できるでしょう。だから、furnitureは数えることができないのです。

 

同様にinformationも数えられないのは、knowledgeのようにまとまったものではなく、種々雑多なものが入り交じっているので、数えても仕方ないということになります。knowledgeはinformationを整理し、自分のものとすることができた「知識」を意味するので、1つのまとまりを持つと考えることができます。だから、She has a good knowledge of …(彼女は・・・についてはよく知っている)というようにaがつきます。

 

また、1つしかないものも数えられません。1つしかないからです。これはJapanとか、Jupiter(木星)などの例を挙げることができますね。

 

逆にたくさんありすぎても数えられない名詞」となります実際に多すぎて数えられないからです。だから、hairは通常数えません。

 

 She wanted to remove a lot of unwanted hair.(彼女は多くのむだ毛を処理したかった)

 

しかし、同じ髪の毛でも数えられる場合は「数えられる」(countable)なのです。

 I found two hairs in my soup.(スープに髪の毛が2本入っていた)

 

まとめておきましょう。「数えられない」というのは、次の(a)(b)が原因となっているのです。

 

(a) 数えても意味がないもの

(あ)分解してもそのものに変わりがないもの (物質名詞:wood, chalkなど)

(い)色々な種類のものを集めたもの・集まっているもの (furniture, informationなど)

(b) そもそも数の点で数えることができないもの

(あ)一つしかないもの (固有名詞:Japan, Jupiterなど)

(い)たくさんありすぎるもの(hairなど)

 

ちなみに英語における普通名詞に相当する日本語の単語は数えられません。数えられるというのは、数詞をそのままつけることができるということです。

 

○one dog, two dogs, three dogs, …

an apple, two apples, three apples, …

×1犬、2犬、3犬・・・

×一リンゴ、二リンゴ、三リンゴ・・・ 

 

日本語で数えられるのは、数的な単位(メートル、グラムなど)と数えるときの特別の名詞(鉛筆を数えるときの「本」、本を数えるときの「冊」など)のみです。

○1メートル、2メートル、3メートル・・・ 

○one meter, two meters, three meters.・・・ (英語も一緒ですね)

○1本、2本、3本・・・

○1本の鉛筆、2本の鉛筆、3本の鉛筆・・・

one pencil, two pencils, three pencils・・・ (英語には、この「本」に当たる表現はない)

 

「数えられない」ということは奥深い現象であることがわかるでしょう。

この記事の著者

通訳ガイド研究会
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