公開日:2020年6月11日

■語呂合わせには4種類ある

語呂合わせとは、ある文字(数字や記号を含む)に、他の単語の音や意味を重ね合わせることですが、私は主に4種類の語呂合わせが存在すると考えています。

 

1つ目は、記憶法としての語呂合わせです。794年を「鳴くよウグイス平安京」というように覚えるという、年代の覚え方に利用されるというものです。

 

この覚え方が絶妙なのは、実際平安京には鶯が鳴いていたからです。特に、愛宕山(あたごやま:右京区)の愛宕鳥と大原(左京区)の大原鳥(おはらどり)のどちらが優れているかという議論に、貴族たちが明け暮れるような「鶯合わせ」という競技がありました。

 

2つ目は、主張法としての機能です。ポケベル時代に「14106(愛してる):1はアルファベットのアイ、10はtenだから「テ」」、「389-334(とても孤独でつらい)<「砂漠のミミズ」」など、数字を用いてメッセージを伝える語呂合わせです。

 

429で「よく拭く」と読めるので、4月29日は「タオルの日」(日本タオル卸商連合会)、1029で「手(10)の10本指を拭く」と読んで、10月29日は「おしぼりの日」(全国おしぼり協同組合連合会)という類も主張法の例です。

 

3つ目は、縁起担ぎの語呂合わせです。神社で45円を賽銭箱に投げ入れるのは、45円は「シジューゴエン(始終ご縁)がありますように」との願い、また、鏡餅に橙をのせるのは「代々栄ますように」との願いとなるような語呂合わせがあります。

 

「春夏冬二升五合」(=商い益々繁盛<秋無い、升升、半升[=五合])などもしゃれた縁起担ぎの語呂合わせと言えるでしょう。ちなみに「南無大師遍照金剛」を「生麦大豆二升五合」と思って唱えたという話がありますが、これも見方を変えれば、縁起担ぎと言えます。

 

4つ目は、言葉遊びとしての機能です。お茶を振る舞うイベント名(「お茶ましまーす♡」)をCome and “tea” us(Come and see usの捩り:以前翻訳の依頼を受けて、私が訳したもの)とか、ちょっと怖いけれど、18782(嫌な奴)+18782(嫌な奴)=37564(皆殺し)といった類のものです。

 

最後はめでたく締めくくりましょう。中国では「九」は3×3(3は陽なる数で、その二乗)で非常にめでたい数、そして、その9の二乗の鱗(81枚)を持つ龍は最高にめでたいとして、龍のことを九九鱗と呼びます。そして、「九」という文字は龍が体を折り曲げた姿のイメージを持っていると考えられました。これは、縁起担ぎに言葉遊びが織り込まれた結果と言えるでしょう。

 

ちなみに、「九」の成り立ちは、折れ曲がって尽きるという象形から、数の極みを表すようになりました。中国では九はやなり極みなのです。

 

 

 

この記事の著者

通訳ガイド研究会
記事一覧