新年初の通訳ガイド研究会現地研修は、西本願寺と東本願寺研修でした。
両寺の正式名称はそれぞれ、
「西本願寺」は「龍谷山本願寺」

「東本願寺」は「真宗本廟」と言われています。

京都の街中で、一段と目を惹く堀川六条の西本願寺と烏丸六条の東本願寺。
どうして西本願寺と東本願寺があるのでしょうか?

過去を遡ると、織田信長の勢力と本願寺勢力の武力衝突が遠因となり、更に11代目の宗主である顕如の跡継ぎ問題に徳川家康や豊臣秀吉の政治的思惑が重なった事で、東西に分かれたと言われています。

実際西と東でその教義にはほとんど差が無いことなど、石井先生の詳しい解説で、その歴史背景について色々学びました。

実際に細かな違いに注目すると、

①西本願寺は信者数694万人、東本願寺はその二分の一以下の320万人

②南無阿弥陀仏の読み方も、東西では違い、
 西は「なもあみだぶつ」東は「なむあみだぶつ」

③蓮如上人の「五条御文(おふみ」を西は「御文章(ごぶんしょう)と読むが、東は「御文(おふみ)」と読む

④焼香(burning incense for the repose of a departed soul)の数も西は1回、東は2回

⑤西本願寺のみ火災を免れ1994年12月に世界遺産登録

といったところで違いがあるそうです。

続いて訪れたのは、東本願寺の池泉回遊式の渉成園。

渉成園の名前の由来は、中国六朝時代に活躍した詩人の陶淵明(とうえんめい)が詠んだ漢詩の一節から取られていて、
「日々趣が増す庭」との意味があるそうです。
先生を囲んで、日本の庭園と西洋の庭園に投影されたその精神文化背景の違いや、幾何学の取り入れ方など、話し合いました。

そして最後に、以前から訪れてみたかった、女人守護のいちひめ神社にもご参拝出来ました。

いちひめの「いち」は市場の「いち」で、平安の創建以来市場の守り神として信仰されていました。
そして、歴代の皇后陛下がいちひめ様を信仰され、皇后陛下祈願所にもなっていた、女人厄除けの珍しい神社です。

皇室所縁のことから、絵馬にも菊花紋が施され、至る所に菊紋が見られます。頂いた御朱印には皇室に所縁の深い、菊の御紋がありました。

多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)
市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)
多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)
神大市比賣命(かみおおいちひめのみこと)
下光比賣命(したてるひめのみこと)
と5柱の女神様が御祭神として、勢揃いされていらっしゃいますので、境内は女神オーラが溢れていました。

境内には、歴代天皇の産湯として使われていたと言われる、「天之真名井」の御神水があります。

茶の湯都七名水とも言われるほど澄んだ清水を有難く頂いて、志をいちひめ神社の大神様にお伝えして参りました。
溢れんばかりの姫みくじの可愛らしさに思わずにっこり。

他にも色々珍しく、使い終わったカードに感謝するカード塚があったり、トイレのお守りのおとう鈴(昔は東にお手洗いを建てると家が栄えるとの言い伝えがありお手洗いが「御東」と呼ばれ、今でも宮中ではお手洗いを「おとう」と呼ぶのだとか)もありました。

本願寺の男性的な荘厳さと、いちひめ神社の女神さまの女性らしい柔らかな優しさの対極を感じられた、今回の研修でした。
研修参加との皆様と、和気藹々楽しいひと時を過ごせましたことも、感謝申し上げます。
この度も素晴らしい学びの数々を有難うございました。

研究員 奥真理子

このお知らせの著者

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