快晴のもと大阪駅前からバスに乗車し順調にスタート。

個人的には団体ツアーガイドの経験を含めて今回は6回目の熊野の旅となります。なぜ参加したか?もちろん、石井会長を約10数名で囲みながら、丸2日間講義をお間きしながらの研修旅行という魅力だけでなく、その訪問地も一味違いました。普通の研修では見られない石井先生ならではの目の付け所に興味津々でした。

関西だけでなく東京、名古屋、三重からのご参加の方もいらっしゃいました。

まず、我々一行を山でなく、海が迎えてくれました。湊浦漁港でとれたてのシラス丼に舌鼓を打ちました。その新鮮さにみんなの笑顔がこぼれます。生とシラス干しのハーフハーフ丼なんて、ちょっと見かけませんね。

次に参拝したのが、闘鶏神社。419年に新熊野権現社として熊野本宮大社から神様を勧請して建てられた神社です。

ここで、宮司さんから質問と説明。熊野本宮大社は3棟なのに、ここの社はなぜ6棟なのか?その答えは大斎原に行くとよくわかります。本来は6棟なのですが、明治22年に川が氾濫して半分が倒壊、流出したため、残った社が現在の高台に祀られたのだそうです。本来の社の形を今も伝えているため、闘鶏神社も世界遺産に追加登録されたのです。

なぜ、闘鶏?なぜ、弁慶の像があるのか?隣にある義経かと思う像は熊野水軍の総大将をなさっていた弁慶の父上。話は源平合戦のどちらにつくべきかという選択肢の話となり、悩んだ末、赤い鶏と白い鶏の闘鶏神事にお任せした結果、白の大勝利となり、源氏に味方することを決め、それ以来、人生を勝利に導く神社として、有名になっていったそうです。明治以降の神仏分離の流れで、元々闘鶏権現と呼ばれていたところ、権現では仏教的ということから、闘鶏神社に名前が変わったという趣ある神社です。

その後、近くの秋津野ガルデンへ。旧小学校の校舎を活用したレストランは以前二回来ましたが、ブッフェ形式で地元の手作り料理が味わえます。今回は二階の教室で地元『田辺市熊野ビューロー』の今までの発展の過程をお話いただきました。中でも、驚いたのは、田辺市がサンディアゴ・デ・コンポステーラ市と交流協定を結んでから、両方の巡礼の道を制覇した人数がここ3年間で千人を超えたことです。人気の熊野ですが、ガイドとして、地元の方々との連携は大切です。今後のお客様のニーズに応える際の参考になりました。

ゲストの二人目は2011年9月の大水害から復興の過程で、復興地を利用した『伏菟野
きくらげ』(白い大きな木耳)の開発をされた打越さんのお話でした。生でも食べられ、クール便で、取り寄せもできるとのことでした。海外への販路もあるようです。開発、栽培、販売と現状にいたるまで、淡々と語っていただきましたが、地元で生まれ、地元を心から愛するご家族のくらしを垣間見ることも出来ました。

締めは、石井会長の『修験道』の講義でした。バス乗車後もお話は続きました。

本日の宿は日本最古の湯と言われる『湯の峰温泉』。あずま屋のお食事も美味しく、また、
何と言っても温泉、露天風呂は格別でした。壺湯の確認、温泉街を散策後、石井講義の本番夜の部がスタートしました。

修験道の起こりから、山には誰がいたか?山の3つの役割とは?先生のお話は分かりやすく多岐にわたります。日本人にとって、山は単なる山ではない。山林修行の場であり、神道の降臨の場であり、鎮魂の場でもあり、道教の神仙境でもあり、高天原でもある。

修行の目的は?験力を得ることである。衣食住を山のものからまかなう修行は必須。役行者、小角はどんな人?そこには、死と再生の概念も入っている。幼少で梵字も解し、出家ではなく、山に修行に上る日々。元興寺の慧観に孔雀の呪法(雑密)を授けられる。

話は蔵王権現から吉野金峯山へ、神仏習合から本地垂迹へエンドレストークは続く。最後は、温泉はなぜ広まったか?穢れを取るため、治癒のためというところで終了。そういえば、穢れを取り去り、旅の疲れもとってからのお話は身体の隅々まで沁み渡り、今宵は熟睡できそうです。

6/3
湯の峰温泉をたって、いざ熊野古道。巨大な鳥居から大斎原へ。広大な旧本宮大社に思いを馳せ、世界遺産本宮館で情報収集。便利な地図を全員ゲットしました。

熊野歩き経験者が先導し坂道をしばし歩きます。手作りの美味しい紫蘇ジュースで乾杯したあと、伏拝王子からの絶景に癒されました。

引き続き、古道を大社へ向かって歩きます。熊野本宮大社は何度訪れても、荘厳さに感動します。

そこで、石井先生の質問。熊野本宮大社はどの社に1番目に参拝するか、またそれはなぜでしょうか?答えは第3殿からです。理由は熊野権現だからです。天照大神は独立しています。

次は、私にとって初めての場所。『なかへち美術館』です。

どこかで見たことのある建物だなと思ったら、やはり、金沢の有名な21世紀美術館と同じ設計者、妹島和世と西沢立衛(SANAA)でした。小さいながらも、すっきりしたデザインで、中では地元出身の画家野長瀬晩花と渡瀬凌雲の作品がゆったり展示されていました。柔らかな線で描き出された中辺路の小品が心に残りました。

最後は『よってって(産直市場)』で、桃ジュースをいただいたリお土産を買い、帰途のバス路は講義とたっぷりの質問タイムとなりました。

石井会長、参加者の皆様、一泊二日の熊野の旅お疲れ様でした。行程維持へのご協力、たくさんのご質問、本当に有難うございました。ともに学ぶことができて嬉しかったです。
  
また、次回も熊野の旅を今回とは少し変化を付けて、通訳ガイド研究会で開催できますように。皆さんと再会できますように。

そのときには、熊野ガイドのスキルが今よりアップしていますことを願っています。
                                
リポーター
研究員:南野 幸子

このお知らせの著者

このお知らせの著者

通訳ガイド研究会
お知らせ一覧