今回はきぬかけの道を代表する世界遺産「仁和寺」と「龍安寺」での研修でした。歴代の皇族が代々門跡を務めた真言宗御室派総本山の仁和寺ですが、その創建の年号がとても覚えやすい888年(仁和4年)だったことに驚きでした。仁和寺はその年号『仁和』より寺名をとっています。

 

猫好きの宇多天皇は後に出家し宇多法王となりますが、明治期まで皇室出身者が仁和寺の代々住職を務め、平安から鎌倉期には門跡寺院として最高の格式を保ちました。

 

法皇は英語にすると、a retired emperor who become a monk( a monk-emperor)であり、

宇多天皇(Cloistered Emperor Uda)はJapan’s first authentic monk-emperorであるということも学ばせて頂きました。

 

「日本初の上皇は?」(=持統天皇)、「日本で最初に譲位した天皇は?」(=皇極天皇、このころは上皇[太上天皇の略]の呼称が存在しなかった)など知ってそうで知らなかった問題、そして名前がしりとりになっている天皇(58代光孝[こうこう]59代宇多[うだ]60代醍醐[だいご])などの豆知識も目から鱗でした。

 

京都一の遅咲き桜で有名な御室桜でも有名な仁和寺ですが、ほとんどの「有明」御室桜がこの週末の雨で散ってしまっておりましたが、奥まで進むと満開の泣き桜が笑い泣きで見事に咲き誇っていました。

 

御室桜は仁和寺だけなのか?なぜ背が低いのか?との質問が出ましたが、この地の固い地盤や粘土質の土壌が、桜が根を深く張れない一因となっており、そのためにどれだけ成長しても2~3メートルの背丈にしかならない御室桜独特の特徴を作り出したそうです。

 

その後訪れた龍安寺では、かつておしどり(鴛鴦)の名所だったことから、別名おしどり池で有名な寺内の鏡容池ですが、英語で『おしどり』をmandarin duckと呼ぶのに対し、『おしどり夫婦』はa couple of mandarin ducks ではなく、a couple of lovebirdsと言うそうです。遠くに弁財天の鳥居が見え、神社と寺が一体だったころの名残を感じました。

 

禅寺は、基本釈迦牟尼仏を本尊としているお寺が多いとのこと。釈迦の説いた知足の心の意味に思いを馳せ、様々な読み解きがありました。

 

庭園では、石井先生の虎の子渡しの英語の説明にじっと周りの外国人の方も聞き入っておられ、石庭に見る川渡りクイズに興味津々のようでした。

 

『虎が子を3匹生むと、その中には必ず乱暴な豹が1匹いる』というのも、とても興味深いお話です。やはり、『豹』のような猛々しい荒魂的な存在があってこそ、和魂的な『虎』の新たなエネルギーの原動力にもなり得るので、ある意味豹は、この世の『必要悪』的な存在の象徴なのかな、などと色々考えさせられ、心の中、一人禅問答で締めくくった研修となりました。

 

リポーター

研究員:奥真理子

 

 

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通訳ガイド研究会
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