331日(土)

『阿弥陀仏の御心に触れる「永観堂」、熊野詣の地「熊野若王子神社」、ねずみの社「大豊神社」へ』研修リポート

 

この度の研修は、春麗らかなお天気に恵まれました。なんと今回は、素晴らしいことに、日本文化を学びたいと、勉強熱心な学生さんも遠方からはるばる参加されていらっしゃいました。

 

桜満開の疎水沿いを通り、桜を愛でながら南禅寺方面へ。途中ねじりまんぽ(蹴上トンネル)を通り過ぎましたが、トンネル上を覆うように咲く桜がまた素晴らしかったです。この蹴上トンネルの壁が螺旋状にねじれて見えるのは、耐久性を上げるために斜めにレンガが積み上げられているためです。

 

永観堂の阿弥陀堂の雲肘木(くもひじき)は 英語でcloud-like bracketとの単語となる

ことを教わりました。
「永観、遅し」の見返り阿弥陀さまは、如来には珍しい立像ですが、立像である理由は、菩薩のような心持ちで人々を救わんとしているからなのだとか。南禅寺のやすらぎ観音の子供のような清らかなお顔に癒されました。

 

永観堂を後にし、永観堂の鎮守である熊野若王子神社へ。平安時代、天皇家の間で熊野詣が流行していましたが、熊野若王子神社は、天皇家が訪れた京都三熊野の一つに数えられており、神様の像としては珍しい「恵比須像」が祀られています。

 

熊野社の神使は、天照大神の使い「八咫烏」であり、絵馬にも描かれていますが、八咫烏と思しき烏の像も見つけました。

 

神社の方に、裏手の桜の名所を教えて頂き、少し急な坂を上がっていくと、沢山の陽光桜の華やかな桜の木々が目に飛び込んできました。

 

この陽光桜が25年に渡る品種改良の末に誕生した背景には、恒久平和の願いが込められた感動的なエピソードがあります。

 

その昔教員だった高岡正明さんという方が、戦争で世界各地にその命を散らした教え子達の鎮魂と、世界へ平和のメッセージを託すために、世界中どこでも花を咲かすことの出来る桜をと、暑さに強いアマギヨシノと寒さに強いカンヒザクラを交配して生まれた桜でした。

桜にかけられたプレートには、結婚何周年記念とか、家族全員の名前が書かれていたりと、その陽光桜に込められたそれぞれの家族愛も感じ、幸せな気持ちになりました。

 

眼下に広がる、遠景のソメイヨシノと、近景の陽光桜との見事な濃淡の桜色のコントラストが、また息を呑むほどの素晴らしさで、胸が震えました。

 

その後、西田幾多郎も歩いた哲学の道を通り豊国神社へ。満開の桜のアーチが私たちを迎えてくれました。

 

豊国神社は、戦国の天下人である豊臣秀吉(豊国大明神)を主祭神としています。そんな猛々しい主祭神のイメージとは裏腹に、境内では、可憐な椿がそこかしこで春を謳歌していました。

 

ねずみの社とも呼ばれる大豊神社の大国社には、全国的に珍しい世界唯一の狛ネズミがあります。椿の花を可愛らしく纏い、まるでブライダル新婦のような狛鼠。

大国主命のピンチを助けたのは何を隠そうこのねずみさま。焼け野原の中に放たれた矢を拾ってくるようにという、スサノオノミコトの無茶なミッションをインポシブルならぬポシブルにしたのは、何を隠そう、地下の空洞への逃げ道を教えてくれた、この賢いねずみの機転のおかげなのです。

 

縁結びのご利益で有名なこの神社ですが、今回の研修でも仲間とのご縁、素晴らしい春の景色とのご縁、奥深い知識とのご縁と、多くの素晴らしいご縁を頂きました。

 

リポーター

研究員:奥真理子

 

このお知らせの著者

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通訳ガイド研究会
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